【執筆者:編集部 田口菜月】
血圧が上90で下50台が心配で、知恵袋で確認する人が多くいるようです。
実際、その値は低いほうですが、上と下の差が正常範囲であるため、問題ないと考えられます。
しかし、人によっては低血圧により体調不良を訴える人がいるため注意が必要です。
そこで本記事は、血圧の下が低いと悩んでいる人向けに、以下項目に沿ってまとめました。
血圧が上90で下50の場合
- 低血圧の基準と種類
- 体に起こる不調
- 年代・性別ごとの血圧まとめ
- 日常生活でできる改善方法
どこからが低血圧なのか知りたい人や最低血圧が低すぎて不安な人も、原因や血圧が低い時の対処法についても記載しているので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
血圧が上90で下50台は知恵袋の回答では問題なし
知恵袋を見ると、低いけど大丈夫との回答が目立ちますが、血圧は数値によって表のように分類されており、上90で下50はかなり低い値であるとわかります。
分類 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 |
---|---|---|
至適血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常血圧 | 130未満 | 85未満 |
正常高値血圧 | 130~139 | 85~89 |
収縮期血圧と拡張期血圧について
血圧は血管内の圧力のことで、その役割は体に必要なものを体中に行き渡らせることです。心臓が縮んだ時の血圧が「収縮期血圧(最高血圧)」、心臓が広がった時の血圧が「拡張期血圧(最低血圧)」といいます。
WHOの基準があり、そちらを見ると血圧の上90で下50は、低血圧にあてはまりますね。
しかし、脈圧で見ると正常血圧の場合は40〜50前後の値を示します。
脈圧とは
血圧の上と下の差のこと
上90下50は脈圧を基準にすると正常値であるといえるでしょう。
とはいえ、低血圧であることに変わりはないので、どんな症状が起こるのかみていきましょう。
詳しくはこの記事をチェック!
血圧が低いとめまいだけでなく頭痛や倦怠感などもおこる
低血圧は、めまいや立ちくらみなどのあるある症状だけでなく、さまざまな不調が現れるようです。
- めまい
- 立ちくらみ
- 朝起きられない
- 疲れやすい
- 動悸
- 倦怠感
- 不眠
- 食欲不振
- 肩こり
- 腹痛
- 悪心
低血圧の人は血を全身に行き渡らせることが苦手なので、日常的に疲労、だるい、立ちくらみ、動悸、息切れなどの不調が起きやすい💦
寒いと朝も起きににくく、周りの人には怠けていると誤解されてしまうことも…😢違うんです…胃腸や心臓の働きが弱い、気血が足りないなど体の問題なんです💦→ pic.twitter.com/0UzPQ30omZ— えみみ 中医学に夢中な薬剤師 (@emimi00) March 18, 2023
低血圧状態は、高血圧に比べて血管に負荷があるわけではないので、治療を積極的に行っていないようです。
しかし、低血圧が自律神経失調症の原因となる場合もあるので注意しましょう。
自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、眠れない・疲れがとれない・情緒不安定、イライラや不安感などの症状が現れるようです。
日常生活に支障をきたす場合もあるので、低血圧で気になる症状がある人は、自宅で血圧測定してみるのも良いです。
なるべく決まった時間・同じ条件で自宅測定すると、より正確な数値を把握でき、医者にかかった時に重要な診断材料となります。
低血圧はいくつか種類もあるので、知っておきましょう。
低血圧は4つに分類され原因もそれぞれ|本能性や起立性など
低血圧は下記の表の通りに4つに分類されます。
分類 | 症状 |
---|---|
本態性低血圧 (一次性低血圧) |
・とくに病気ではない ・血圧が慢性的に低い ・遺伝 ・自覚症状がない場合も |
症候性低血圧 (二次性低血圧) |
・体質とは別に何らかの原因による 血圧低下 ・心臓病や内分泌が異常 ・ケガ ・薬の作用 |
起立性低血圧 | ・急に立ち上がったり体を動かしたり 急激に血圧低下 ・立ち上がる際のめまいや立ち眩み |
食事性低血圧 (食後の血圧低下) |
・血流が胃に集中することで 血液が心臓に戻りにくくなる ・食後に倦怠感が生じる ・立ち眩みや失神 ・吐き気や眠気 |
慢性的に低血圧の人は、本態性低血圧の場合が多そうですが、気になる症状がある人は、隠れている病気がないか一度病院で診てもらうと安心ですね。
起立性低血圧が起こりやすい人も急に立ち上がらず、ゆっくりと行動する意識をもてば、防げるかもしれません。
つぎは、年代別の一般的な血圧の数値を見てみましょう。
年代別・性別ごとの血圧まとめ|やはり最低血圧50は低いとわかる
年代別、性別ごとに血圧の平均値をまとめました。
女性の方が低い傾向にあり、高齢者は高い傾向にあります。
男性 | 女性 | |||
---|---|---|---|---|
最高血圧 | 最低血圧 | 最高血圧 | 最低血圧 | |
20代 | 116.6 | 74.5 | 108.9 | 68.4 |
30代 | 119.4 | 79.0 | 110.5 | 71.3 |
40代 | 127.8 | 83.6 | 118.1 | 75.8 |
50代 | 132.4 | 86.1 | 123.6 | 78.3 |
60代 | 137.8 | 85.6 | 132.5 | 80.0 |
70代 | 139.5 | 81.2 | 136.3 | 79.0 |
この表をみても、血圧が上90の下50は平均よりも低めであると分かりますね。
血圧を上げる方法も調査したので、次の章もチェックしてみてください。
血圧の下が低いと悩む人も運動や食事で改善可能
低血圧はめまいや立ちくらみだけでなく、疲労感や不眠などさまざまな体の不調を起こしやすくなるので、運動や食事に気をつけて改善していきましょう。
- 規則正しい生活をする
- 運動して筋肉を鍛える
- 水分を多めに取る
- バランスの良い食事
- 動作はゆっくりとおこなう
- 食後にカフェインを摂る
- 温度差に注意
- 日光を浴びる
いくつか詳しくみていきましょう。
有酸素運動を取り入れて筋肉量を増やす
低血圧のうち、本態性低血圧症は、筋肉が足りない・長時間の起立に慣れないなどの要因が多いです。
そこで、有酸素運動やストレッチなど自分のペースに合わせて適当な運動をすると、改善に近づきます。
有酸素運動として、外で走るのも良いですね。
ストレッチは、自宅で行うこともできます。
慣れてきたら徐々に運動量を増やすと、筋肉量がアップしていきそうです。
急激に立ちあがらずにゆっくりとした動作を心がける
動作をゆっくりおこなうと、急な血圧な変化で立ちくらみをおこすのを予防できます。
寝ている状態から起き上がる際は、血の巡りを良くするために足首の運動を行ってからゆっくり起き上がると良さそうです。
筋肉をつける食事を摂ろう|タンパク質やビタミン類を
低血圧の改善は、バランスの良い食事を摂るのを心がけましょう。
筋肉をつけることは、低血圧改善に重要なので、筋肉をつけたり、代謝をあげたりするのに役立つタンパク質やビタミン類などを摂取すると良いです。
タンパク質 | 肉・魚・大豆製品など |
---|---|
ビタミン類 | 野菜・きのこ・海藻など |
ほかにも日常生活で簡単に取り入れられる習慣で、低血圧改善が期待できます。
食後にカフェイン摂取で血液の巡りアップ
低血圧のなかでも、食後低血圧の人は食後にコーヒーやお茶などのカフェインを摂取してみましょう。
カフェインは交感神経を刺激し、血液の巡りを良くしてくれるのでおすすめです。
ただし、カフェインを摂ることで眠れなくなる場合もあるので、そういうときは朝食後に試してみましょう。
結論|血圧の上90下50は大きな問題なしだが低血圧の症状に注意
- 低いほうだが脈圧を基準でみると正常範囲である
- 血圧が低いとめまい・たちくらみ・頭痛・疲労感などがおこる
- 低い原因は複数あって遺伝・けが・薬の作用など
- 改善するには運動や食事
- 食後にカフェインを摂るのも良い
血圧が上90で下50は、WHOの基準でみると低血圧ですが、上と下の差である脈圧で見ると問題なさそうです。
とはいっても、低血圧はめまいや立ちくらみ、頭痛や疲労感などが起こる場合があり、気をつけなければいけません。
自分の低血圧タイプを知り、運動習慣や生活を見直して、改善を目指していきたいですね。