【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】
さきいかが体に悪いと言われるのは、食べ過ぎると消化不良を起こすほかカロリーや糖質の摂り過ぎで太る可能性があるためです。
塩分も多く含むので、摂取量に気を付けなければなりません。
しかしイカが原料なのでタンパク質をはじめ栄養が豊富で、よく噛んで食べる必要があることからも、適量なら健康に良い効果が期待できますよ。
そこでこの記事では、さきいかを安心して美味しく食べるために知っておきたい、次の項目についてご紹介します。
さきいかのこと
- 健康に悪影響となる原因
- 太る可能性と1日の適量
- ダイエット効果はあるのか
- おもな栄養成分と体へのメリット
さきいかで太るのかと、デメリットを防ぐ対処法や効果的な食べ方も解説するので、ダイエット中の人もぜひ参考にしてください。
目次
さきいかの食べ過ぎは体に悪い|デメリットの原因
さきいかを食べ過ぎると、消化不良やカロリー・糖質の摂り過ぎにより太るなど、体に悪影響を及ぼすおそれがあるため注意が必要です。
ほかにも、塩分が多いことや添加物を多く使用している場合があるなど、体に悪いと言われる原因はいくつか考えられます。
消化不良 | 一度に多量摂取 よく噛まずに食べている |
---|---|
肥満 生活習慣病 |
食べ過ぎ カロリー・糖質の摂り過ぎ コレステロールの摂り過ぎ 塩分の摂り過ぎ |
添加物のリスク | 大量摂取で 摂取許容量を超える危険性 ※通常の量では問題なし |
さきいかを安心して食べられるように、デメリットとなりうる原因や対処法を知っておきましょう。
食べ過ぎると消化不良を起こしやすい
さきいかは硬い繊維質を多く含むため食べ過ぎると消化不良を起こしやすく、胃に悪いと言われることがあります。
しっかり噛み砕いてなかったり一度に多量に食べたりすると、消化器官の胃腸に負担がかかり胃もたれや吐き気を起こす場合があるので注意しましょう。
おつまみやおやつに人気の低カロリーな食品ですが、食べ過ぎれば消化不良だけでなく、太る可能性もあります。
多量に食べればカロリーや糖質の摂り過ぎで太る原因に
ソフトさきいかや皮つきさきいかはイカを加工し味付けされているため、多量に食べるとカロリーや糖質の摂りすぎになり太る可能性もあります。
イカを乾燥させただけのあたりめ(するめ)にはわずかですが、さきいかには味付けの調味料から糖質が多く含まれるため注意が必要です。
栄養成分 | さきいか | あたりめ (するめ) |
クッキー | ポテト チップス |
---|---|---|---|---|
カロリー (kcal) |
80 | 91 | 153 | 162 |
糖質 (g) |
5.2 | 0.1 | 18.4 | 15.2 |
塩分 (g) |
2.1 | 0.7 | 0.2 | 0.3 |
タンパク質 (g) |
13.7 | 20.8 | 1.7 | 1.4 |
脂質 (g) |
0.9 | 1.3 | 8.3 | 10.6 |
洋菓子やスナック菓子などと比べれば、さきいかのカロリー・糖質量は少ないですが、多量に食べれば過剰摂取になります。
カロリーや糖質だけでなく、さきいかは塩分も多く含むので摂取量には要注意です。
塩分の摂り過ぎでむくみや高血圧の原因に
さきいかは多量に食べると塩分の摂り過ぎになり、むくみや高血圧の原因になるなど健康に悪影響となるおそれがあります。
さきいかはイカに含まれる塩分に味付けの調味料分も加わるため、あたりめよりも塩分濃度が高いです。
詳しくはこの記事をチェック!
塩分を多く摂ると、体内では濃度を薄めるため水分摂取を多くして保とうとするので、むくみを生じやすくなります。
そればかりか、体には塩分摂取量が多くなるほど食欲を増進する仕組みがあるため、ほかの食事まで過食になる危険性があります。
さきいかを食べ過ぎると、イカに多く含まれるコレステロールの摂り過ぎが危惧される場合もあります。
血中コレステロール値が高めの人は控えめに
イカはタコやエビと並んでコレステロールを多く含むため、血中コレステロール値が高めな人はさきいかも少量ずつにしましょう。
さきいかは、100g中に370mgのコレステロールを含みます。(※2)
そのほかさきいかの食べ過ぎは、添加物によるリスクを高める点も問題です。
添加物の摂取によるリスクにも注意
さきいかは商品によって食品添加物を多く使用している場合もあるので、記載事項をよく確認して選び、食べ過ぎないことが大切です。
食品添加物として認められ使用基準が守られているとはいえ、大量摂取や加工食品の多用が重なると体に悪影響になるリスクが高まります。(※4)
さきいかを食べてもデメリットが出ないように、適量や対処法を確認しておきましょう。
健康への悪影響を防ぐ方法と適量目安
さきいかを美味しく食べて体に悪影響とならないようにするには適量を守り、食べ方を工夫しましょう。
消化不良 | よく噛んで食べる 一度に食べ過ぎない |
---|---|
肥満 生活習慣病 |
適量を守る 食べるタイミングを考える よく噛んで食べる |
添加物のリスク | 適量を守る 記載の原材料をチェックする |
間食にするときの適量は塩分量から考えて、15~20g入りのミニパック1袋くらいまでがおすすめです。
塩分と同様に添加物もできる限り摂らないようにするには、適量を守るのはもちろん、表示をしっかり確認することも大切です。
- 甘味料(ソルビトール・トレハロース・ステビアなど)
- 酸味料(リン酸塩)
- 保存料(ソルビン酸K)
食品添加物不使用という表示がある場合もありますよ。
さきいかは適量で、次の食事までに小腹が空いたときの間食にすると太らないだけでなく、よく噛んで食べることでダイエット効果も期待できます。
さきいかは適量ならダイエット効果も期待できる
さきいかにはタンパク質のほかタウリンが多く含まれ、低カロリー・低脂質で、よく噛んで食べることで体に良いメリットも得られます。
しかし医薬品のように病気に対する効果・効能を認められたものではないので、適量で上手に活用しましょう。
タンパク質 | 体の成分を作る |
---|---|
DHA (ドコサヘキサエン酸) EPA (イコサペンタエン酸) |
・LDLコレステロールを減らす ・動脈硬化・血栓を予防 |
タウリン | ・高い血圧を下げる ・血中コレステロールや 中性脂肪を減らす ・肝機能を強化 ・視覚の低下を防ぐ ・インスリン分泌を促す |
よく噛むこと | ・満腹中枢を刺激し食欲を抑制 ・内臓脂肪を減らす ・歯や顎の骨や筋肉を強化 ・脳の機能を活発にする ・だ液分泌を促し消化を助ける |
豊富に含まれるタンパク質は体を作るために必要な栄養素ですが、ゆっくりと消化吸収されるため、間食に食べると腹持ちを良くするメリットもあります。
魚介特有のDHAやEPAといった不飽和脂肪酸やタウリンが摂れるので、コレステロールや中性脂肪を減らす効果も期待できますよ。
これら栄養成分からのメリット以外に、よく噛んで食べることからも健康に良い効果が期待できるので、ダイエット中もおやつに向いていますよ。
よく噛むと健康に良い!ダイエットにも上手に活用
さきいかは低カロリーなだけでなく、よく噛めば食欲を抑制し内臓脂肪を減らす効果が期待できることから、ダイエット中の間食におすすめです。
意識的によく噛んで食べるようにすると、神経ヒスタミンが満腹中枢に作用し早く満腹感を感じられるので食べ過ぎません。
同時に交感神経の中枢も刺激を受けて内臓脂肪を燃焼させる指令が出されるので、しっかり噛むほど体脂肪を減らせるというわけです。
詳しくはこの記事をチェック!
ダイエットだけでなく健康維持にも役立つメリットなので、さきいかは適量でしっかり噛み砕いて食べましょう。
結論|さきいかの食べ過ぎは体に悪いので適量で活用しよう
- 食べ過ぎると消化不良や太る原因になる可能性あり
- 塩分やコレステロールの過剰摂取にも注意が必要
- 高タンパク質・低カロリー・低脂質で間食向き
- タウリンやDHA・EPAも豊富
- 少量でよく噛んで食べるとダイエット効果あり
さきいかは食べ過ぎると消化不良や太る原因になったり、塩分の過剰摂取から体に悪い影響が出たりするおそれがあります。
しかしイカの豊富なタンパク質やタウリンのほかDHA・EPAも摂れ、適量で食べれば健康に良い効果が期待できておやつにもおすすめです。
よく噛んで食べると少量でも満腹感が得られ、内臓脂肪を減らす効果も期待できるので、適量で健康維持やダイエットにも上手に活用しましょう。