【執筆者:管理栄養士 朝戸尚子】
ブラックコーヒーにはカフェインが多く含まれ、飲み過ぎると体に悪い影響があると言われているため、飲む量には注意が必要です。
ただし健康な成人であれば飲み過ぎなければ問題はありません。
この記事では、ブラックコーヒーを飲む際に気をつけたい適切な摂取量や、コーヒーに期待できる嬉しい効果について解説します。
ブラックコーヒー のこと
- 飲み過ぎによる体への悪影響
- カフェイン摂取に注意が必要な人
- 適切な摂取量
- 期待できる嬉しい効果
ブラックコーヒーを飲み過ぎていて体への影響は心配、という人はぜひ参考にしてくださいね。
目次
ブラックコーヒーの飲み過ぎは体に悪い|健康への影響を解説
ブラックコーヒーに多く含まれているカフェインは、摂りすぎると健康への悪影響が知られているため注意が必要です。
- 消化器症状
→下痢、吐き気、嘔吐など - 中枢神経系の刺激による症状
→めまい、心拍数の増加、震えなど - カフェイン依存症
- 胎児の発育に影響
- 血糖コントロールを乱す作用
カフェインの過剰摂取によって、下痢・吐き気・嘔吐といった消化器症状や、めまい・心拍数の増加・震えなどの中枢神経系刺激による症状など、健康被害をもたらすことがあります。(※1)
またカフェインには中毒性があり、コーヒーを飲み過ぎるとカフェイン依存症に陥る恐れがあります。
カフェイン依存症はカフェイン摂取をやめた場合に、体に不調が現れるという特徴を持っています。
時間のたったコーヒーの変化
時間のたったコーヒーや冷めたコーヒーは淹れてすぐと比べて味や風味が変化します。これは空気と触れて酸化するためです。高温であるほど酸化しやすいので、アイスコーヒーの場合や冷蔵庫で保管すると酸化を遅らせることができますが、コーヒーを美味しく飲むために、淹れたコーヒーはなるべく早く飲みましょう。
コーヒーの飲み過ぎによって症状が出ることがある他、カフェインの摂取に注意が必要な人もいます。
カフェインの摂取に注意が必要な人
妊婦や糖尿病患者、カフェインを含む医薬品を服用している人は、コーヒーに限らずカフェインを含むものの摂取に注意が必要です。
妊婦 | 胎児の発育に影響 |
---|---|
糖尿病患者 | 血糖コントロールが乱れる |
カフェインを含む 医薬品を服用中 |
カフェインの過剰摂取となる可能性 |
妊娠中にカフェインを摂り過ぎた場合、胎児の発育に影響を及ぼし、低体重児となる恐れがあります。
妊娠中にカフェインを飲みたい場合は、コーヒーのカフェインを90%以上取り除いているデカフェも活用しましょう。
妊娠中は少量であれば問題ないと言われていますが、お持ちの病気や服用中の薬によっては飲まない方がいい人もいます。
例えばカフェインはインスリンを効きにくくする作用があるので、血糖コントロール中の場合は血糖コントロールが乱れて合併症のリスクが高まる危険性があります。
またカフェインを含む医薬品を服用中の人は、コーヒーを飲むことでカフェインの過剰摂取となる可能性があるので注意が必要です。
ただし健康的な成人の場合適切な量の摂取であれば問題はないので、コーヒーに含まれるカフェインの量と、1日あたりの適切な摂取量目安を知っておくことが大切です。
コーヒーに含まれるカフェイン量と適切な摂取量の目安
コーヒーにはカップ1杯あたり100mg前後のカフェインが含まれています。
カフェイン濃度 | 1回あたり | |
---|---|---|
抽出液 | 60mg/100ml | 120mg (カップ1杯200mlとする) |
インスタント コーヒー (粉末) |
4.0g/100g | 80mg (2g使用した場合) |
ネスカフェやAGFなどのインスタントコーヒーの場合は、1回に使用する粉末の量によってカフェイン量が変わるため、濃いコーヒーが好きな人は特に飲み過ぎに注意が必要です。
コーヒーの摂取量の目安は日本では明確な基準が示されていませんが、海外の各機関では健康な成人と妊婦についてのカフェイン摂取量の目安が設定されています。
健康に悪影響のない 最大摂取量/日 |
機関名 | |
---|---|---|
健康な成人 | 400mg/日 | カナダ保健省 |
妊婦 | 300mg/日 | 世界保健機関 |
200mg/日 | 欧州食品安全機関 | |
300mg/日 | カナダ保健省 |
妊娠中のカフェイン摂取量をなくす必要はありませんが、いつも以上に摂り過ぎには注意しましょう。
ブラックコーヒーの場合はカフェイン量を気にしつつ適量であれば問題ありませんが、砂糖やミルク入りのコーヒーの場合は砂糖や脂質の摂り過ぎに気を配る必要があります。
ブラックコーヒーは飲み過ぎなければ、嬉しいメリットも期待できますよ。
ブラックコーヒーに期待できる体に良い効果とは
コーヒーに多く含まれるカフェインは飲み過ぎると悪影響がありますが、適量であれば体に嬉しい効果も期待できます。
- 覚醒作用
- 代謝亢進
- 鎮痛作用
カフェインは脳にあるアデノシン受容体にアデノシンの代わりに結合することで、脳を覚醒させる作用があると言われています。
カフェインは交感神経を刺激する働きから体脂肪の燃焼を促進することも知られており、また鎮痛作用を利用して頭痛薬や風邪薬の成分として活用されています。
コーヒーには抗酸化作用をもつポリフェノールも含まれており、その効果にも期待ができます。
ポリフェノールの健康効果も期待できる
ポリフェノールを多く含むものといえば赤ワインや緑茶を想像しますが、コーヒーにもクロロゲン酸というポリフェノールが豊富に含まれています。
- 抗酸化作用
- 食後血糖値の上昇を抑える
ポリフェノールには抗酸化作用があるため、がんの一因になると言われている活性酸素による酸化を抑制する効果があるのではと言われています。
また食後の血糖値上昇を抑える効果も期待できるので、食事中にコーヒーを飲むことのメリットもあるようです。
コーヒーの賞味期限や保存方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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結論|ブラックコーヒーに含まれるカフェインの摂りすぎに注意
- 飲み過ぎると体に悪影響がある
- 妊婦や糖尿病患者、医薬品を服用中の人はカフェインに注意が必要
- デカフェも活用しよう
- 健康的な成人は適量なら問題なし
- カフェインやポリフェノールに期待できる効果もある
ブラックコーヒーに多く含まれているカフェインは、摂りすぎると健康への悪影響があると言われています。
また妊婦や糖尿病患者、カフェインを含む医薬品を服用中の人は、コーヒーに限らずカフェインを含むものの摂取に注意が必要です。
ただし健康な成人の場合は適量であれば問題ないので、飲み過ぎには注意しつつ、コーヒータイムを楽しみましょう。
参考資料