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食材・料理のQ&A

水菜は体に悪い?食べ過ぎは下痢に?栄養がないのは本当かも検証

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料理・食材
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水菜 体に悪い

【執筆者:管理栄養士 鳥越菜生】

水菜が体に悪いと言われることがあるのは、食べ過ぎると下痢・腹痛など体に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

水菜には栄養がないと思われるかもしれませんが、βカロテンが豊富で緑黄色野菜に分類されています。

健康や美容にうれしいメリットも期待できるので、悪影響を出さないための対処法を知っておきましょう。

そこでこの記事では、水菜を美味しく食べて栄養やメリットを活かせるように、以下の項目についてご紹介します。

この記事を読むとわかる!
水菜のこと

 

  • 体にデメリットとなる原因
  • 悪影響を防ぐ方法や1日の適量
  • おもな栄養成分と体へのメリット
  • 効果的な食べ方と注意点

栄養を逃さない調理法や生で食べるときの注意点なども紹介するので、鍋以外の食べ方を探している人もぜひ参考にしてください。

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水菜の食べ過ぎは体に悪い|下痢や腹痛の原因に

水菜 緑黄色野菜

水菜を食べ過ぎると体に悪いと言われるのは、豊富な水分や食物繊維が原因となり下痢や腹痛を起こす場合があるためです。

そのほか洗浄不足により食中毒を起こす可能性もあるため、体に悪いとされる原因はいくつか考えられます。

水菜が体に悪いと言われる要因
消化不良 胃腸の冷え
食物繊維の摂り過ぎ
食中毒 土壌・肥料からの微生物の付着
洗浄不足
栄養素の過剰摂取 カリウムの摂り過ぎ
※腎機能低下がある人は要注意

水菜はみずみずしく細長い茎が特徴ですが、食べ過ぎると下痢や腹痛の原因になる場合があるので注意が必要です。

冷えと食物繊維の摂り過ぎで下痢・腹痛に

水菜は90%以上が水分で食物繊維を多く含んでいるため、食べ過ぎると胃腸が冷えたり下痢や腹痛を起こしたりする場合があります。

腸の調子を整えるのに役立つ食物繊維も、摂り過ぎると下痢を起こしたり、かえって便秘がひどくなったりする場合があるのです。

不溶性食物繊維は便の材料になってかさを増し、腸管を刺激して運きを活発にし、便通を促すはたらきをします。
水溶性食物繊維は水に溶けてゲル化しやすく、便を柔らかくし、えさとなって腸内細菌を増やすことで整腸に役立つのです。

大量に食べると水分も多く摂ることになり、特に生食時は胃腸が冷えて消化不良を起こし下痢になる場合があります。

水菜は生食するとシャキシャキした食感も魅力ですが、十分に洗浄できていないと食中毒を起こす可能性があるため要注意です。

洗浄が足りないと食中毒の可能性も

洗浄不足だと生育中に付着した細菌により食中毒を起こす場合があるため、調理の際は土や汚れとともにしっかり洗って落としましょう。

水菜を含めて葉野菜には、栽培時に土や肥料からセレウス菌や大腸菌などの食中毒の原因になる細菌が付いている場合があります。(※2)

ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
またしっかり洗えていても、肉や魚に使った調理器具から食中毒菌に汚染される場合もありますよ。生食用は特に、同じ包丁やまな板を洗わずそのまま使い回さないよう気を付けてください。

水菜を食べて体に悪影響を出さないためのポイントを確認しましょう。

体に悪い影響を出にくくするコツと1日の適量

水菜の悪影響を防ぐには、体調に合わせて食べ過ぎない量にし、十分に洗浄して衛生的に調理することが大切です。

体に悪影響が出ないようにするポイント
消化不良 適量を守る
調理法を工夫する
食中毒 十分に洗浄する
調理器具や手指の衛生面にも注意
栄養素の過剰摂取 調理法で減らす
量を調節する

水菜には虫が付いている場合もあるのでまず全体を洗い、食中毒菌まで落とせるようにしっかり洗浄しましょう。

水菜におすすめの洗い方
  1. 根が付いていたら切り落とす
  2. 大鍋やボウルに水を溜め
    根元から葉先の順に
    手でほぐしながら振り洗い
  3. 流水で洗い流す
  4. 2と3を繰り返しきれいに洗う
  5. 最後に溜め水にしばらく浸けておく
    (※溜め水を薄い酢水にすると
    殺菌効果をプラスできる)
ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
溜め水と流水を併用して洗い、しばらく浸けておいたり酢水を活用したりすると洗浄力が高まります。

食べ過ぎで悪影響の原因になる食物繊維量から考えると、1日に食べる適量は約100~130gです。

食事からの食物繊維摂取量は不足している人が多く、1日に3~4g程度増やすと良いと言われています。

水菜には可食部100g中に3gの食物繊維が含まれるので、130g食べると4gの食物繊維が摂れる計算です。

とはいえ食物繊維はほかの食品からも摂れるので、適量は食べ過ぎを防ぐ目安と考え、体調に合わせて調節すると良いですね。

カリウムの摂取が気になる人は、なるべく減らせるよう調理法を工夫しましょう。

カリウム摂取が気になる人は量と調理法に注意

カリウムの摂取量を少なくしたい場合は、水菜の食べ過ぎはもちろん避け、茹でこぼす調理法で減らして食べましょう。

カリウムは多く摂っても健康な状態なら腎臓のはたらきで尿中に排出されるため、通常の食事で過剰症になる心配はありません。

しかし腎機能が低下するとうまく尿で排出できないため、食事からの摂取量を制限される場合があります。
ヨセミテ編集部・メモ
ヨセミテ
編集部
カリウムは水に溶けやすいので、下処理で茹でこぼすか水にさらしておきましょう。

このように特定の栄養素に気を付けなければならない場合以外は、せっかく食べるなら栄養を逃さず摂りたいですね。

そこで水菜の栄養成分と体へのうれしいメリットや、効果的な食べ方をご紹介します。

水菜の栄養価が減るのを防ぐ食べ方と体へのメリット

水菜 栄養 生

水菜は食物繊維のほかビタミンやミネラルが豊富で体に良いメリットを期待できるので、適量で効果的に栄養が摂れるよう食べ方を工夫しましょう。

水菜のおもな栄養成分とはたらき(※3)
(★は水に溶けやすい)
βカロテン 体の機能を正常に保つ
抗酸化作用
ビタミンC★
葉酸★ ビタミンB12とともに赤血球を作る
細胞の核酸・タンパク質合成を促進
カルシウム 骨や歯の材料になる
体の機能を正常に保つ
カリウム★ 体の機能を正常に保つ
体内の水分・浸透圧調節
赤血球のヘモグロビンを作る
食物繊維 腸の調子・便通を整える

医薬品のように病気に対する効果・効能が認められたものではありませんが、適量で食べれば健康や美容にうれしいメリットが期待できます。

栄養がないなんて言わせない!おもな成分を紹介

水菜は食物繊維だけでなくβカロテンを多く含み、ビタミンCや葉酸のほかカルシウム・鉄・カリウムなどのミネラルも豊富な緑黄色野菜です。

緑黄色野菜は厚生労働省により分類された「可食部100g中にカロテンを600μg以上含んでいる野菜」です。ただしトマトやピーマンのように、基準値以下でも食べる回数・量が多い野菜も含まれます。

βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の機能を正常に保つはたらきをするビタミンです。

100g食べたときに摂れるβカロテン量(μg)
水菜 ほうれん草 ブロッコリー ミニトマト
1300 4200 900 960
ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
水菜は淡色野菜と間違われやすいですが、ほうれん草にはかなわないとはいえβカロテン含量が多い野菜です。

ビタミンCは各種代謝を促進し、βカロテンとともに抗酸化物としても重要なはたらきをします。

抗酸化作用を持つ物質は、体内で活性酸素が発生して過酸化脂質を作り出し、動脈硬化・がん・老化などの原因となるのを抑えるはたらきをします。

葉酸はビタミンB群のひとつで、鉄とともに造血に必要なほか細胞を作る際にも重要で、妊娠中は胎児の生育に欠かせない栄養素です。

水菜には葉酸を含めて水溶性成分も多いので、栄養価を下げないためには調理法を工夫しましょう。

妊娠・出産期は生食や丸ごと食べる汁ものがおすすめ

水菜は加熱しないサラダや汁ごと食べられる味噌汁などにすると、水溶性や熱・光で壊れやすい栄養素も逃さず摂れます。

水菜には、妊娠・出産期の女性にとって大切な、胎児の体や血液を作るのに役立つ栄養素も多いです。

しかし葉酸やビタミンCは水に溶けて流出し加熱で壊れやすいので、なるべく減らさないよう生食や汁ごと食べる料理がおすすめですよ。

ヨセミテ編集部・笑顔
ヨセミテ
編集部
スープや味噌汁に入れるなら、加熱時間を短くするためほかの具材が煮えてからできあがり前に加えましょう。

またβカロテンは脂溶性で油と混ざりやすく吸収率も上がるため、サラダにはオイルやごまの入ったドレッシング・マヨネーズなどを使うと良いですよ。

特有の成分によりほのかな苦味があるのが特徴ですが、気になる人には「サラダ水菜」もおすすめです。

さっと茹でたりカット後に水に浸けたりすると辛味を減らせますが、栄養素も減るので短時間で行いましょう。

結論|水菜は適量なら体に悪いわけではない

水菜のまとめ
  • 食べ過ぎると下痢や腹痛を起こす可能性がある
  • 洗浄不足で食中毒の危険性がある
  • ビタミンやミネラルが豊富な緑黄色野菜である
  • 栄養価が保てる生食もおすすめ
  • 適量で効率良く食べれば体に悪い影響を防げる

水菜が体に悪いと言われるのは、食べ過ぎによる下痢や洗浄不足による食中毒を起こす場合があるからです。

しかしよく洗って衛生的に調理し、適量で食べれば悪影響は防げます。

生でも食べられて便利なうえ、食物繊維のほかビタミンやミネラルも豊富で、体に良いメリットが期待できる緑黄色野菜です。

鍋のイメージが強いですが、サラダやパスタのトッピングなどいろいろな使い方を楽しんでみてください♪

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