【執筆者:編集部 対島敬】
粉砂糖(粉糖)は、賞味期限切れになっても食べられる可能性が高い食材です。
しかし期限切れから1年や2年が経過したり、未開封・開封後の保存方法をあやまったりすると、劣化により使いにくくなります。
この記事では余りがちな粉砂糖を使い切るために役立つ情報を、下記の項目にまとめて紹介します。
粉砂糖のこと
- 賞味期限切れでも食べられるか
- 劣化したときの特徴
- 常温での正しい保存方法
- 劣化した場合の対処法と使い道
いつのものか分からない余った粉砂糖が出てきた人や開封後の正しい保存方法が知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
粉砂糖(粉糖)の賞味期限切れは食べられるのか
粉砂糖は賞味期限切れになっても、食べられる可能性が高い食材です。
純粉砂糖 | 製造日から8ヶ月ほど |
---|---|
粉砂糖 | 製造日から9〜12ヶ月ほど |
泣かない粉砂糖 | 製造日から6〜12ヶ月ほど |
粉砂糖はグラニュー糖を小さい粒子にしたもので、大きく分けて3種類あります。
こちらのような純粉砂糖と表示されたものは、成分はグラニュー糖のみです。
こちらのような一般的な粉砂糖にはサラサラした状態を保つため、2〜3%ほどコーンスターチや粉末水飴などが含まれています。
この商品のような泣かない粉砂糖とは、油脂でコーティング加工されたものです。
ふりかけた後に、すぐに白さが消えない特徴があります。
3タイプをそれぞれ調べてみると、少なくとも6ヶ月以上の賞味期限が設けられているようです。
賞味期限は食品の美味しさが保証される期限のため、期限切れになってもすぐに食べられない状態になるわけではありません。
消費期限:食品の安全性を保証する期限
期限切れから1年・2年経っても日持ちする理由
粉砂糖が期限切れから1年や2年経過しても日持ちする可能性が高い理由は、正しく保存されていればかなり品質が安定している食材だからです。
こちらの人は賞味期限が1年前の粉砂糖を使っていますが、写真ではいつもと変わらないようにみえますね。
1年前の賞味期限粉砂糖をふんだんに使用したチョコブラウニー pic.twitter.com/DzZio7a3lB
— 桜花 (@Ouuka0703) March 21, 2022
精製された砂糖には、食材を腐らせる原因となる細菌やカビ菌が生きるために必要な水分がほとんど含まれていません。
ちなみに粉砂糖に含まれている水分は、100g中にたったの0.3g程度です。(※2)
粉砂糖も、はじめから期限が記されていない商品もあるんですよ。
さまざまな砂糖の賞味期限について興味のある人は、こちらの記事もおすすめです。
詳しくはこの記事をチェック!
保存が適切なら3年や5年と長期に時間が経過しても、理論上は腐らないと推測できます。
しかし実際には他の理由で品質が劣化する場合があり、見分け方を知っておくと判断の参考にできるため便利です。
賞味期限より状態の変化に注目!劣化の特徴
賞味期限に関わらず粉砂糖の状態にいつもと違う変化があらわれたら、品質劣化のサインです。
見た目 変色 |
・固まっている ・黄ばんでいる ・虫やダニの混入 |
|
---|---|---|
臭い 匂い におい |
臭い移りしている | |
味 食感 触感など |
ベトベトしている |
粉砂糖は吸湿性と吸臭性が高く、熱に弱い特徴があります。
固まる・ベトベトする・臭い移りしてしまうといった現象は、この特徴によるものです。
粉砂糖が黄ばみはメイラード反応と呼ばれる自然現象で、原料に含まれる少量のアミノ酸が糖と反応し変色しますが食べても問題はありません。
また未開封の粉砂糖の袋を虫が食いちぎって混入しても、袋内部で増殖する可能性は低いです。
砂糖には虫に必要な水分が含まれておらず、さらに砂糖の浸透圧により脱水して生きられません。
同様の理由で、ダニが混入しても増殖する可能性は低いでしょう。しかしダニアレルギーを心配する人は、処分する方が賢明です。
メーカーは基本的に開封後はなるべく早い消費を推奨しているため、使用する際は自己責任で食べられるかを判断する必要があります。
粉砂糖を使いやすい状態で日持ちさせるには、劣化しにくい正しい方法での保存が大切です。
粉砂糖の劣化を防ぐ未開封・開封後の正しい保存方法
粉砂糖の劣化を防いで日持ちさせるには、常温保存が適しています。
未開封 | 開封後 | |
---|---|---|
常温 | 高温多湿と直射日光を避け保管 | |
パッケージごと 保存容器に入れ密閉 |
保存容器に入れ密閉 | |
冷蔵 | 推奨しない | |
冷凍 |
未開封・開封後に関わらず、保存容器で密閉して保存することがポイントです。
通常、砂糖のポリ袋には通気性を保つため、目に見えない小さな穴が空いています。
湿気や臭いを吸収するほか、袋を食い破って虫やダニが混入する可能性が否めません。
また粉砂糖は熱に弱い特徴もあるのに、冷蔵・冷凍での保存が推奨されないのは理由があります。
冷蔵庫や冷凍ではなく常温保存が適している理由
粉砂糖が冷蔵・冷凍保存に向かないのは、前述の通り湿気や臭いを吸着しやすい食材だからです。
庫内から出し入れする際に温度変化で結露が生じると吸湿と乾燥をくりかえし、固ったり臭いが移ったりする原因になります。
粉砂糖は熱に弱い食材ですが、常温で溶けだすことはありません。ただし高温になりやすいコンロ周りやオーブンの側などは、ベトベトになる可能性があるので避けましょう。
しかし粉砂糖は正しく保存していると思っても、固まったり色が変わったりする場合があります。
上手に使い切るためにおすすめの対処法があるので、ぜひ試してみてくださいね。
保存中に劣化したときの対処法や使い道
粒が細かい食材の粉砂糖は保存中に品質が変わってしまう場合がありますが、劣化の種類によっては工夫して使い切れます。
純粉砂糖であれば、以下のような方法がおすすめです。
- 色が茶色くなった場合:デコレーション以外の料理や製菓に使用する
- 固まった場合:水で濡らしたキッチンペーパーを丸めて密閉容器内に入れ、サラサラに戻ったら取り出す
他にもコーヒーや紅茶に溶かしたりお料理に使ったりと、原料であるグラニュー糖の代用品として柔軟に使用してみてくださいね。
そのため純粉砂糖以外は使用用途に合わせて少量で購入し、保存方法を守って早めに使い切るようにしましょう。
結論 | 賞味期限切れの粉砂糖は劣化する前に早めに使い切ろう
- 賞味期限切れになっても食べられる可能性が高い
- 固まりや黄ばみは劣化のサインだが食べられる
- 高温多湿を避け常温で密閉保存
- 冷蔵や冷凍保存は劣化するのでNG
- 純粉砂糖はグラニュー糖の代用品として使用可能
粉砂糖は賞味期限切れになっても、品質が劣化しない限り長期保存が可能な食材です。
しかし長期保存中に品質の劣化が起こると、粉砂糖として非常に使いにくいので注意が必要です。
できれば目的に合わせてその都度少量で購入し、劣化する前に使い切るようにしましょう。
それでも劣化してしまった場合は、紹介した対処法をぜひ試してみてくださいね。