【執筆者:編集部 山上由利子】
蒸し鶏は調理法もいろいろ、冷蔵庫での日持ち期間もレシピにより2~5日とばらつきがありどのレシピで作ろうか迷いますね。
冷凍すれば2~3週間は日持ちがするので作り置きして活用したいところです。
鶏肉は余熱を利用したレシピが多いですが、加熱不十分だと食中毒を起こすことがあり注意が必要です。
そこでこの記事では、蒸し鶏を美味しく安全に日持ちさせる方法について下記の項目を紹介します。
蒸し鶏のこと
- 保存期間はどれくらい
- 食中毒を予防するための注意点
- 日持ちさせるポイント・保存方法
- 冷凍・解凍のコツ
蒸し鶏の作り置きはどうしたらいいか困っている方や賞味期限が気になる方は、ぜひ参考にしてくださいね ♪
目次
蒸し鶏の作り置き・市販品の日持ち目安|腐敗や食中毒に注意
手作りした蒸し鶏は取り扱いや保存方法によって日持ちしない場合があるため、なるべく早めに食べましょう。
市販品は賞味期限が長めに設定されていますが、いったん開封すると当日中に食べきるように推奨しているメーカーが多いようです。
保存方法 | 市販品の一例 (製造日起算) |
手作り | ||
---|---|---|---|---|
未開封 | 開封後 | |||
常温 | 1年(レトルト) | 当日中 | NG | |
冷蔵 | 2週間~50日 | 当日中 | 2~3日(早めに消費) | |
冷凍 | 解凍前 | 2週間~1年 | 2~3週間程度 | |
解凍後 | 1~2日 | 当日中 |
調理した食品を常温で保存していると細菌が急激に増殖する可能性があるので、常温保存は絶対やめましょう。
常温放置の危険性|鶏肉の食中毒を防ぐには?
細菌は温度・水分・栄養分の条件がそろうと爆発的に増殖します。(※1)
食中毒菌は30~40℃で増殖しやすく、タンパク質豊富な鶏肉を常温放置すると食中毒菌が猛スピードで増殖し食中毒が起きる可能性があり注意が必要です。
調理後の常温放置は2時間までとし、すぐに食べない場合は冷蔵・冷凍するようこころがけましょう。(※2)
蒸し鶏の場合はとくに食中毒に注意が必要です。
食中毒菌のほどんどは75℃1分以上の加熱で死滅しますが、蒸し鶏のレシピには「余熱で火を通す」と書いてあることが多く、加熱が不十分だと食中毒菌が生き延びるおそれがあります。
蒸し鶏の余熱調理は中まで火が通るよう十分気をつけましょう。
市販の鶏肉にはかなり高い確率でカンピロバクター菌が付着しているので、蒸し鶏の加熱が不十分だとカンピロバクター菌による食中毒が発生することがあります。(※2)
詳しくはこの記事をチェック!
食中毒予防のため、加熱の目安は食品の中心部の温度が75℃で1分間以上とされていますが、実際にはどう判断したらいいのでしょうか。
温度が気になる人は、食品内部の温度が測れる温度計を使うのはいかがでしょう。
食品内部の温度で中まで火が通っているどうか確かめられますよね。
蒸し鶏は余熱で中までしっかり火を通し、余熱調理が済んだら常温放置せず冷蔵・冷凍保存して食中毒を防ぎましょう。
冷蔵保存でも日持ちせず腐ることもある
レシピのなかには冷蔵庫での日持ち期間を5日と書いてあるものもありますが、家庭により調理環境は違うので、日持ちが保証されているわけではありません。
細菌の多くは10℃以下になると増殖速度が落ちますが、菌は生きています。
菌の酵素作用によりタンパク質が分解され、風味はどんどん落ちてついには腐敗します。
食べれるかどうかは自分の五感によって判断することが大切です。
冷蔵庫に保存していても腐ることがあるのでしっかり見分けましょう。
- 酸っぱい・変なにおいがする
- 変色している
- ねっとりする
- 変な味がする
少しでも違和感があれば食べるのはやめましょうね。
冷蔵庫を過信せず早めに食べきることが大切ですね。美味しく安全に食べたいなら冷凍がおすすめですよ ♪
冷凍品の保存期間・賞味期限の目安
蒸し鶏を美味しく食べきるには冷凍保存で2~3週間を目安にするとよいでしょう。
細菌は-15℃以下では増殖が完全に停止し食品は腐りません。
腐らないので冷凍での保存期間は長いように思われますが、実際は時間と共に食品の劣化が進み、風味は落ちてしまいます。
冷凍・解凍のコツについてはこちらを参考にしてくださいね。
蒸し鶏は日持ちがしないので正しく保存して美味しく食べきりましょう ♪
蒸し鶏を安全に日持ちさせる保存方法
蒸し鶏をできるだけ日持ちさせるには、菌の増殖を抑えることが重要です。
保存方法 | 市販品 | 手作り | ||
---|---|---|---|---|
未開封 | 開封後 | |||
常温 | 表示通り | NG | ||
冷蔵 | なるべく空気に触れさせない | |||
冷凍 | ジップ付き袋に汁ごと入れ空気を抜く なるべく急速に冷凍 保存中の温度変化を防ぐ |
空気中には細菌が多く含まれるので、蒸し鶏を清潔な容器やジップ付き保存袋に汁ごと入れて空気に触れないように工夫しましょう。
冷蔵庫での日持ち期間を延ばす保存のコツ
日持ちさせたいなら菌を付けない・増やさない・やっつける(加熱する)ことが重要です。
菌が付かないよう清潔な状態でしっかり加熱調理・保存し、菌が増えないようなるべく早くに冷蔵しましょう。
- 余熱調理中は鍋のフタは開けない
- 速やかに清潔な容器やジップ付き保存袋に移す
- 容器の場合は蒸し鶏が直接空気に触れないよう汁ごと入れる
- ジップ付き保存袋の場合は汁ごと入れて空気を抜く
食中毒菌のほとんどは加熱調理で死滅します。
なかには熱に強く生き残る菌もいますが、増殖を抑えれば食中毒は防げます。
菌は30~40℃で最も増殖しやすいので、調理後はなるべく早く冷蔵・冷凍しましょう。
安全に食べるなら冷凍がおすすめ
JIS規格で冷凍庫の温度は-18℃と定められています。
菌は-15℃で増殖を完全に停止するので、冷凍保存すれば安心できます。
家庭で冷凍する場合、なるべく急速に冷凍する・保存中は温度変化を防ぐことに重点を置きましょう。
- 金属トレーにのせて短時間で冷凍する
- ジップ付き保存袋に入れなるべく平らにし、保冷剤をのせる
氷の結晶ができる温度帯をなるべく早く通過して凍結させることで品質の劣化を防げます。
- ジップ付き保存袋に入れ、さらに密閉容器に入れ二重にする
- 温度の影響を直接受けないようなるべく奥に置く
解凍方法にもコツがあります。
常温での自然解凍は温度の上昇とともに菌の増殖が再開するのでおすすめできません。
蒸し鶏をほぐして冷凍しておくと、ちょっとしたトッピングや和え物に使えて便利ですよ。
また鶏胸肉は低脂肪・高タンパクのため、アスリートにも人気なのでおおいに活用したいですね。
冷凍保存で便利、美味しい!鶏むね肉のぽん酢蒸しを使ったアレンジ料理を紹介しました。鶏むね肉のぽん酢蒸しは冷凍しても味が落ちず、薄切りして冷凍するので簡単に解凍できます。サラダ、豆腐、ラーメンなどの具に使いやすいです。手軽にタンパク質補給できます。https://t.co/j1CgTe5h2p pic.twitter.com/IoSDErj5kA
— 筋肉料理人 藤吉和男 (@kinniku) August 11, 2019
手軽さが嬉しいですね!
結論 | 蒸し鶏を安全に日持ちさせるには冷凍がおすすめ!
- 2時間以上の常温放置はNG
- 鶏肉はカンピロバクター菌に注意し十分加熱する
- 調理後は速やかに冷蔵・冷凍する
- 日持ちさせるには出来るだけ空気に触れさせない
- 作り置きなら冷凍保存がおすすめ
蒸し鶏は余熱調理する際、中までしっかり火が通っていることを確かめましょう。
日持ちさせるには菌を付けない・増やさない・やっつける(加熱する)ことが重要です。
冷蔵庫を過信せず冷凍して早めに食べることを心掛けて、蒸し鶏を美味しく安全に食べきりましょう ♪