【執筆者:編集部 宇野山萌】
ミネストローネはあまり日持ちせず、冷蔵庫に入れても保存できるのは2日程度です。
中に入れる具材によって傷みやすさも変わるので、腐敗が進みやすい夏場は特に注意しなければなりません。
また加熱後の常温放置で増えやすい食中毒菌もあり、食べた後の取り扱いや保存方法にも一工夫が必要です。
ミネストローネのこと
- 日持ち日数の目安
- 傷みやすい食材とは
- どのような危険が潜んでいるのか
- 冷蔵・冷凍での正しい保存方法
野菜たっぷり!栄養満点の手作りミネストローネを作り置き出来たら、とても便利ですよね。
冷凍保存すれば保存期間の延長が叶うので、紹介する保存方法を参考にして最後まで美味しくいただきましょう♪
目次
ミネストローネの日持ち|冷蔵や冷凍での保存期間目安
手作りのミネストローネは常温ではほとんど保存できませんが、うまく冷凍すれば1ヶ月程度は日持ちします。
手作り | 常温 | 数時間 |
---|---|---|
冷蔵 | 2日程度 | |
冷凍 | 1ヶ月程度 | |
市販品 | レトルトパウチ | 数ヶ月~1年半程度 |
粉末 | 1~2年程度 |
季節を問わず常温での保存はおすすめできません。
賞味期限は短い!夏も冬も常温ではなく冷蔵庫へ
ミネストローネは常温では数時間程度しか日持ちしないので、食べ終わったら冷蔵庫保存しましょう。
夏場はもちろん特に注意が必要ですが、冬でも腐る可能性があります。
冷蔵庫でも保存できるのは2日程度なので、「今日明日で食べきれるかわからない」と思うときには冷凍がおすすめです。
市販品は比較的日持ちするので、手軽に栄養を取りたい人はパウチ商品やお湯を注ぐだけの粉末タイプを常備するのも手ですね。
▼神戸開花亭 ミネストローネ
(製造から240日)
▼モランボン トマトで作るミネストローネ用スープ
(製造から540日)
▼じっくりコトコトこんがりパン ミネストローネ
(製造から13ヶ月)
実は傷みやすい食材があるので、手作りの際の参考にしてください。
じゃがいもや肉入りは特に傷みやすいので注意
ミネストローネはたっぷりの野菜や肉類を入れた具沢山スープです。
特にタンパク質や炭水化物(でんぷん)が含まれていると、腐敗しやすいので注意が必要です。
微生物が食品に含まれるタンパク質や炭水化物に働きかけ、人体に有害な状態に変化すること
ミネストローネの具材に使われやすい食材には次のようなものがあります。
タンパク質 | 肉、魚、 ウインナーやベーコンなどの肉加工品 |
---|---|
炭水化物 | じゃがいもなどのいも類 米などの穀物類 など |
食べきれなかった時には一工夫して冷蔵するか、冷凍保存がおすすめです。
うっかり放置して食べられるかどうか不安な時は、状態を見て判断しましょう。
ミネストローネは腐るとどうなる?見分け方とは
ミネストローネが腐ると臭いや見た目が変化するので、見分ける際の目安にしてください。
見た目 変色 |
カビが生えている |
---|---|
臭い 匂い におい |
・明らかな腐敗臭 ・鼻をつく刺激臭 |
味 食感 触感など |
粘りがある |
中身によって臭いが変わるので、どの食材でどんな臭いがするのかを確認しましょう。
酸っぱい・硫黄臭などスープの中身で臭いが変わる
ミネストローネの具材によって腐った時に発生する臭いが異なるので、食べられるかどうか判断する参考にしてください。
食材の種類 | 発生する臭い |
---|---|
タンパク質を含む食品 (肉や魚類) |
アンモニア臭(硫黄臭) |
炭水化物を含む食品 (野菜類) |
・アルコール臭 ・シンナー臭 ・接着剤のような臭い |
カビや粘りなどの見た目の変化が確認できなくても、臭いに異変を感じたら食べないようにしましょう。
ほかのスープ類の日持ちや腐った時の見分け方は、こちらの記事でも詳しく解説していますよ。
詳しくはこの記事をチェック!
腐ったミネストローネで食中毒が起こるリスクもあるので、注意しなければなりません。
スープの作り置きに潜む危険|熱に強い怖い菌とは
ミネストローネような煮込み料理を加熱後に常温放置すると、ウェルシュ菌やボツリヌス菌による食中毒を起こす可能性があります。
ウェルシュ菌やボツリヌス菌は熱に強い芽胞を作るため、スープ類を煮込んでも死滅しません。
ウェルシュ菌(※2) | ボツリヌス菌(※3) | |
---|---|---|
症状 | ・潜伏期間:6~18時間 ・腹痛・下痢 |
・潜伏期間:8~36時間 ・吐き気・嘔吐 ・神経症状(視力障害、 言語障害など) ・呼吸麻痺による死亡 ※乳児ボツリヌス症 ・便秘・麻痺症状 |
特徴 | ・人や動物の大腸の 常在菌 ・肉魚類の料理からの 発生が多い ・100℃1時間以上の 加熱に耐える ・増殖温度:12~50℃ (至適温度:43~47℃) |
・土壌に広く分布 ・死滅温度 →120℃4分 →毒素は80℃30分 (100℃なら数分) |
嫌気性菌(酸素のない状態で増殖する) |
どちらも熱に強く酸素のない状態で繁殖するので、加熱調理後のスープを置いているうちに増殖します。
一度菌が増えると無毒化は難しいので、増やさないことが何より大切です。
傷みにくい保存方法や冷凍する際の注意点を確認し、正しく保存してください。
ミネストローネを日持ちさせる冷蔵・冷凍保存方法
ミネストローネを日持ちさせるためには、素早く冷やして冷蔵保存・もしくは小分けにして冷凍保存がおすすめです。
常温 | NG |
---|---|
冷蔵 | ・調理後急いで冷やす (3時間以内に20℃以下目安) ・鍋ごと冷蔵庫へ |
冷凍 | ・調理後急いで冷やす ・1回分ずつ小分けにする (密閉容器や密閉袋) ・金属バットにのせて冷凍 |
速く冷やすにはコツがありますよ!
冷蔵保存の正しい方法|鍋ごと急冷が傷まないコツ
翌日に食べきる程度の量を保存するなら、鍋ごと急いで冷やして冷蔵庫に入れるといいでしょう。
さらに大きい鍋やボウルに水を張り、つけておくと冷ます時間を短縮できます。
この動画で紹介しているように、水は流しっぱなしにしてくださいね。
▼鍋ごと冷やす方法の紹介動画
すぐには食べきれない・作り置きにしたいと考えるなら、冷凍保存がおすすめです。
ミネストローネの長期保存は冷凍がおすすめ
ミネストローネに限らず食品を冷凍する場合は、手早く・空気と触れないようにするのが長持ちのコツです。
空気を遮断することで、食材の酸化を防いで美味しさをキープできます。
- 冷凍容器にラップを敷き、上にもかぶせる
- 密閉袋に入れ、空気を抜いて封をする
また冷凍に不向きな食材もあるので、取り除いたり細かくして調理するといいでしょう。
- じゃがいも
- きのこ類(繊維の多い食材)
- 豆腐やこんにゃく(水分の多い食材)
食べる分だけを取り出して鍋に入れ、しっかり加熱してから食べるようにしてくださいね。
結論 | ミネストローネの常温放置は危険!急冷して冷凍しよう
- 保存期間は常温では数時間・冷蔵でも1~2日程度
- 冷凍なら1ヶ月程度保存可
- 熱に強いウェルシュ菌・ボツリヌス菌の繁殖に注意!
- 加熱調理後3時間以内に20℃以下までに急冷する
- 小分けにして冷凍保存がおすすめ
ミネストローネは、熱で死滅しにくいウェルシュ菌やボツリヌス菌による食中毒の恐れがあります。
菌が増殖しやすい環境を作ることになるので、調理後は常温に置かず急いで冷やして冷蔵庫へ入れましょう。
冷凍なら数週間~1ヶ月程度の日持ちが見込めるので、食べきれる量かどうかをすぐに判断して保存方法を決断してくださいね。
栄養たっぷりのミネストローネを、残さず美味しく食べきりましょう♪