【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
年末の大掃除の際に、ストックしている食品の在庫整理をしつつ、棚を掃除していたら…
「”古くなったもち米”を発見!!」なんてことはありませんか?日常的に使う食材ではないので、結構忘れてしまいがちですよね。
古いもち米を発見したら、気になるのが賞味期限についてでしょう。
というわけで、本日のテーマは「余りがちな食材=もち米」です。
お米は、比較的日持ちする食材ですが、未開封ならまだしも、開封後に1年も放っておいたもち米だったら…。
さすがに賞味期限切れの気がしますが、どうなんでしょう?
食べても大丈夫な状態なのか、見た目では分かりにくいから不安ですよね。
そこで今回は「もち米の賞味期限」について調べてみました。
- もち米の賞味期限はどれくらいか
- もち米の精米前・精米後で賞味期限は変わる?
- お米の保存方法の基本と冷凍・冷蔵・常温で気をつけることは?
- 食べないほうがよい状態とは?
- 古くなったもち米を美味しく食べるコツ
といった内容をお届けします。
お正月のお餅といえば、スーパーなどで買ってきた切り餅というイメージもありますが…。
最近では、ホームベーカリーでもお餅がつけるので、家庭でお餅つき♪なんて方も増えているかもしれませんね。
私の主人の実家が米農家なので、そこで実践しているオススメの方法なんかもご紹介しますよ。
ぜひ、最後までご覧くださいね。
管理栄養士・栄養士
目次
もち米の賞味期限はどのぐらい?ネットの声を集めてみました
さっそく、気になるもち米の賞味期限について見ていきましょう。
一般的に、皆さんはどうしているのか、ネットから声を集めてみました。
もち米の賞味期限の目安とは
もち米の賞味期限は、特に期限が定められているわけではありません。
ただし、味が落ちるなどの理由から、冷蔵で1~2年を目安に消費している人が多いようです。
実は、もち米は時間がたつと、独特の臭いが出てきてしまうんですよね。
ちなみに、1~2年というのは精米後のもち米の日持ちで、精米前なら酸化しにくいので、2年たっても美味しく食べられるようです。
では、皆さんはもち米をどのくらいで消費しているのか、ネットの声を紹介します。
常温で保存する場合
精米されたもち米は、「夏場を越すと味が落ちやすい」という意見がネット上で多く見られました。
お米は常温で保存している人も多いかと思いますが、できるだけ夏前に食べ切ることを目標にしたほうがよさそうです。
米農家である主人の実家では、寒い冬のうちにもち米を使い切ってしまうそうですよ。
お餅やおこわにして冷凍したものは、忙しい田植えの時期などに活躍するので、お米のままでは保存しないという意味ですが。
長く常温で保存していると虫がわく心配もあるので、しっかり密閉しておいてくださいね!
以下、ネット上の声を集めてみたので、そちらも参考にしてくださいね。
- 政府保存米は低温・低酸素(無酸素)で虫がわかないように保管し、3~4年経過しても販売している
- もち米は、脂質やたんぱく質がないので傷みにくい
- 常温保存でも、冷暗所で湿気の少ない所であれば大丈夫!
- もち米は、梅雨前には食べ切ったほうがよいので、半年を目処に食べたほうが無難
冷蔵庫で保存する場合
私もネット上の皆さんも、もち米を冷蔵庫の野菜室で保管している人も多いです。
重たく大容量で、保管することの多いお米は、野菜室のほうが取り出しやすいということもありますね。
保存状態がよくないと表面の乾燥が進み、水に浸した際に割れてしまい上手に炊けないことがあります。
こういう状態のお米を「花咲き米」と呼ぶのですが、これを避けるためにもきちんと密閉しておきましょう。
冷蔵保存の場合の意見も、以下で紹介します。
- 冷蔵庫で保管するなら、野菜室が最適!
- 冷蔵庫に入っていれば、さほどの品質低下はないため1~2年保管していても大丈夫
- タッパーや空のペットボトルなど密閉容器で保管すれば、1~2年でも大丈夫
- ビニールの米袋のままだと、長期保存には向かない
- ペットボトルで小分けにし、密閉状態を保つと長持ちする
ここまでで、もち米の常温や冷蔵庫で保存した場合の”賞味期限”について見てきました。
ところで、もち米は冷凍でも保存は可能なのでしょうか?
もち米は冷凍保存しても大丈夫なの?保存する容器にも注目!
もち米をより長持ちさせるために、「保存方法として冷凍はどうなの?」と考える人もいるのでは?
その答えと、もち米の最適な保存方法について紹介します。
もち米に適した保存方法とは?
もち米は冷凍で保存してもよいのか…?
結論からいうと、お米の冷凍保存は基本的にNGということです。
冷凍するとお米に含まれた水分が凍り、水の体積が増えることでお米の細胞が壊れてしまいます。
冷凍したお米も炊けなくはないのですが、炊き上がりが柔らかくなって味も落ちてしまうため、冷凍保存には不向きなんですね。
なので、長期保存をする場合や適した保管場所がない場合は、冷蔵庫の野菜室がオススメです。
もち米はうるち米(普通のお米)よりも、風味が落ちるのが多少早い印象はあるものの、保存方法は基本的には同じです。
以下、お米の保存方法の基本を見直しておきましょう!
お米の保存方法の基本
- お米は臭いを吸ってしまうため、密閉容器に入れて空気を遮断しておこう
- お米につく虫は、18度以上の高温で多湿の場所を好む
- 常温で保存するなら直射日光を避け、冷暗所に保管するとよい
- 保存場所は冷蔵室でも野菜室でも構わないが、冷凍庫はNG
- 冷蔵庫で保管するなら、冷気の噴出口の前には置かない
余ったもち米の保存容器、あなたは何を使う?
うるち米なら、1年を通して常備している食材ですし、それぞれお好みの保存容器を使用されていると思います。
袋ごとタッパーに入れたり、米びつを使っていたり…。
ですが、”余ったもち米”というのは、常備したいわけではないですよね。
そのため、”早く使い切りたい食材”のために、わざわざ専用の保存容器を購入するのはためらってしまいます。
しかし、先ほどから「保存する際は要密閉!!」と連呼していますが、もち米はいい加減な保管の仕方では虫がついてしまいます。
そこで、「あまりお金をかけずにきっちり密閉保存をしたい」という方には、こんな方法をオススメします!
- 焼酎のペットボトルで防虫
- 密閉できればOK!保存袋に入れてしまう
焼酎の入っていたペットボトルを洗わずに、よく乾燥させてから保存容器として使うと、虫がつかないそうですよ。
また、密閉容器が足りないときは、もち米を小分けにして保存するとよいでしょう。
やり方は、小分けにしたもち米をキッチンペーパーで包み、ジップロックなどの保存袋に入れて、野菜室に保存すればOK。
このとき、計量器で1回分の量で分けておくと便利です。
お米屋さん曰く、空気を遮断して密閉できる容器であれば、基本的には問題ないんだそうです。
ただし、もち米は割れやすいので、うっかり上にものを載せたりしないでくださいね!
もち米には賞味期限と消費期限、どちらが記載されている?
もち米に記載されているのは、賞味期限かそれとも消費期限なのか…?
実は、いずれも記載されておらず、JAS法で精米年月日のみ記載されています。
穀物は水分含量が少なく、野菜や魚などの生鮮品より長持ちするので、期限の記載がないのだそうです。
そのため、もち米も年を越したものが普通に流通しています。
お店でよ~く見ていると、精米年月日が昨年のものを発見できるかもしれませんよ。
籾殻がついたままや玄米の状態で保管すれば、白米の状態よりも更に長持ちします。
ただし、もち米の場合はコイン精米機が使えないので注意してくださいね!
ところで、もち米が少し黄ばんだ程度なら、もったいないので食べてしまうこともありますよね。
ですが、もしも食べるのに危険な状態だったとしたら問題です。
もち米は腐るのでしょうか?また、どういう状態になったら食べないほうがよいのか、次章で見ていきます。
もち米は腐るの?古くなったもち米を色やにおいで判断する目安とは
あまったもち米は、捨てるのはもったいないけれど、「本当に食べても大丈夫なの?」と不安になりますよね。
そもそも、もち米は腐るのか、また食べないほうがよいのは、どうのような状態なのかを確認していきましょう。
もち米は腐らないけど品質は劣化する
もち米を含むお米は、腐らないといわれています。
では、どんなに長期に保存しておいたお米でも、食べられるのでしょうか。
たとえば、お米に穀象虫やメイガなどの虫がわいたり、カビが生えたりすることがあります。
虫がわいたお米を食べても、まれにアレルギー反応がでることはあるものの、一般的には害はないようです。
ですが、虫がわくと見た目的にも悪く、虫をよけたとしても食べるのには勇気がいります。
またカビに関しては、日本米はカビ毒の危険性はないようですが…。
色や臭いなどが変化して、大幅に味が落ちてしまうので、そういう意味でも食べることは避けたいです。
こうなったら食べないほうがいい!?古いもち米の見分け方
もち米が古くなっているかどうかは、基本的に臭いや米をといだときの様子で判別できます。
以下のような状態になっていないか、チェックしてみましょう。
- 虫がわいている(お米に紛れて見つけにくい種類もあるので、よく観察すること!)
- 色が茶色に変わっている
- 嫌な臭いがする
こういった”明らかにおかしい!”と、本能的に感じ取れるような状態のお米は、食べずに捨ててしまいましょう。
「お米だから大丈夫」と過信しないことも大切です。
これは個人的な意見なのですが、美味しく炊けない状態ならば、捨ててしまってOKだと思います。
ちなみに、お米の袋が開いていて虫の侵入が疑われる場合は、お米をお皿などに出してしばらく見ていてください。
何か動くものがいたら、そいつはお米ではありません。
細か~い虫が大発生しているパターンだと、取り除くことは困難です。
透明な袋や容器で中が見えるのなら、虫がいるかどうかをチェックしてから取り出すのが無難だと思います。
さて、もち米をチェックしてみて、虫がわいたり変色したりなどの劣化が見られても…。
「やっぱりお米を捨てるのって、なんだか抵抗がある!」と感じる方もいるでしょう。
そこで次章では、古いもち米を美味しく食べるためのコツを紹介します。
古くなったもち米を美味しく食べるコツ!
古くなったもち米…「食べても大丈夫?」と不安になりますが、少々黄ばんでいるくらいなら食べても大丈夫!
ここでは「もったいないから食べ切っちゃおう」というときに、美味しく食べるコツを見ていきましょう。
古いもち米を使ったおすすめの食べ方
以下で、古いもち米でも美味しく食べられる方法を6つ紹介します。
どの食べ方も、もち米をよく洗うと美味しくなりますよ!
- 吸水が悪いので、しっかり水に浸けるか、通常より水を少し多めにして炊く
- 普段お米を炊くときに、炊く量の1割程度のもち米を一緒に入れて炊く
- 古い米は味が染みやすいので、2割程度のもち米を加えて炊き込みご飯にする
- 焼売の皮の代わりに、種の周りに浸水させたもち米をまとわせて蒸す
- お米と半々でやわらかめに炊き、すりこ木で半分くらい潰して丸めておはぎに
- 一度洗ってザルにあげ、乾燥してからフードプロセッサ―などで粉状にすればだんご粉に
普通のお米ともち米を一緒に炊くと、モチモチした食感が味わえますよ。赤飯にするのもいいですね。
古いもち米には味が染みやすいので、モチモチ食感でしっかり味の染みた、主役級の炊き込みご飯ができちゃいます!
また”中華おこわ”なら味付けが濃いので、古いもち米独特の臭いが気にならないのも、うれしいポイントです。
もち米が古くなる前に食べ切ろう!
もち米を購入したら、あまらせずに食べきってしまうのが一番です。
私の主人の実家が米農家で、文字通り、売るほどの米を保存しております(笑)
毎年、年末になると、正月用のお餅を用意するために餅つきをしているんですが、必ず大量に作ります。
その場で食べる”味見用”と、お正月に食べる”お雑煮用”や”鏡餅”をたくさん作り、あとは切り餅の状態にして冷凍庫でストックしておきます。
我が家も毎年、切り餅の状態にした冷凍のお餅を分けてもらい、電子レンジで解凍して食べていますよ。
お餅は、多めに作って冷凍がオススメです。
ほかにも、あまったもち米をおこわや赤飯にして、1食分ずつ軽く握って冷凍しています。
これも毎年大量に分けてもらってくるんですが、結構便利なんですよ♡
小腹が空いたときや、お昼ご飯の主食がなかったり足りなかったりしたときに、ささっと解凍して美味しくいただいております。
1個ずつラップで包んだおにぎりの状態にして、ジップロックに入れて冷凍しておき、解凍するときはラップごと電子レンジで温めます。
そうすると、蒸すようにして加熱できるので、美味しく解凍できるんです。
お米のままで保存しようと思うと、冷蔵庫の野菜室を占拠してしまいますよね。
そこで、「調理→冷凍→ひとりご飯でせっせと消費♪」というのはいかがでしょうか。オススメですよ!
食べる以外にもある!古いもち米の活用方法
「お米を大量に捨てるのって重くて大変だし、なんだか”常識がない人”と思われそうで不安だなぁ…。」
「少しでも消費できないかしら?」
そんな方のために、食べる以外の活用方法をご紹介します。
- 糊にして工作や障子紙貼りに利用できる
- ガーデニングの時に肥料にする
- 小鳥の餌にする
※勝手に撒き餌をすると近隣の迷惑になるので、あくまでペット用に限ります
もち米を粉状にして、水で溶いて煮詰めると糊ができます。
このとき、焦げないように”へら”などでかき混ぜていくのがコツですよ!
小鳥の餌にする場合は、あくまで自分のペット用としての範囲に留めてくださいね。
スズメやカラスが寄り付くようになると、フン害があったりカラスがゴミ捨て場を漁るなどしたりして、近隣トラブルの原因を生み出しかねません。
セキセイインコや文鳥などが、何kgものお米を食べ切るには相当年数がかかってしまいます。
そのため、微々たる量しか消費できないでしょうけれど、全部捨てるよりは気持ちが楽になりそうですよね。
まとめ
最後に、今回の内容をもう一度振り返ってみましょう。
- もち米は冷凍庫での保存はNG!
- 常温の場合は直射日光を避け、冷暗所で密閉保存する
- 高温多湿は虫がわくので必ず避けること!
- 冷蔵保存の場合は冷蔵庫の野菜室がオススメ
- 美味しく食べ切るなら、常温の場合は梅雨時期までに食べ切るのがベスト
- もち米の賞味期限は常温、冷蔵庫とも1~2年が目安
- 2年以上たつと、古い米独特の臭いが気になるなどして美味しくない
- 傷みにくいので食べても問題ないことが多い
- 古いもち米を美味しく食べるコツは、まずはよく洗うこと
- 吸水が悪いので、浸水時間を長めにとるか多めの水で炊く
- 古いお米には味がしみ込みやすいので、炊き込みご飯や中華おこわは好適
- 炊き込みご飯やおこわをたくさん調理して、小分け冷凍しておくと消費しやすい
- おはぎにしたりだんご粉にしたりと、ご飯以外の調理法もたくさんある
- 虫が大量についた・嫌な臭いがする・変色などがあれば食べずに捨てる
- 食べられなくなったもち米は、糊や肥料、小鳥のエサとして活用できる
もち米を買うときって、大抵は「〇〇を作ろう!」と、目的を持って買いますよね。
ですが、目的の料理を作ったあとは、そのまま使わずに保管し続けて、そのうちに忘れてしまってあとで発掘されたりするわけです。
古くなって気が引ける状態で無理矢理食べたり、大量に捨ててしまったりするのはもったいないですよね。
けれど、ちょっと調べればもち米を使った簡単料理のレシピはたくさん出てきます。
いつもの炊き込みご飯に少しもち米を足すだけで、美味しく、しかも食べ応えのあるモチモチ食感になるなんて、お手軽だと思いませんか?
食卓に中華おこわが並んでいたら、「こんなの作ったの!?すごいね」と驚く旦那さんは少なくないはず♡
うれしいことに、密閉容器に入れてきちんと保管していれば、もち米は長く保存しておいても大丈夫。
すぐに傷むというプレッシャーもないので、チャレンジしやすい食材ですよね!
ぜひ色々なレシピを楽しんで、美味しくもち米を食べ切ってくださいね。