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生活のQ&A

納豆菌による水の浄化方法!発展途上国に日本の水浄化技術を!

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発展途上国にはまだ飲み水・調理用水に事欠く人々が約40億人います。上水道が普及していないので、藻(アオコ)類が生えた貯め池の水、生活排水・家畜のし尿が流れ込む濁った河川の水を、“生活するためには利用せざるを得ない”のです。

この様な発展途上国の劣悪な水事情をつぶさに見て、協力の手を差し伸べ結果としてビジネスにつなげた日本企業を2例紹介しましょう。

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例1:納豆菌をヒントに開発された水質浄化剤(日本ポリグル株式会社)

納豆菌のネバネバ成分から商品化

水の浄化に納豆菌の持つネバネバ成分が良いのではと考え、調査研究の結果、ポリグルタミン酸にたどり着きました。

当時市販のポリグルタミン酸は高価だったので、ネバネバを大量に作り出す納豆菌の開発に成功し、「PGα21Ca」を商品化しました。

 

発展途上国で好評

2004年のスマトラ沖のマグニチュード9.1の地震で被害を受けたタイで、飲料水に使えるという効果を確認しました。更にメキシコ・バングラディッシュにサンプルを提供し評判が良いことが分かりました。

また今では先進国のオーストラリア・カナダ・中国で工場の排水処理にも使われています。

#140 未来ビジョン 安心して飲める水が世界を救う

 

BOP(Base of Economic Pyramid:低所得層)ビジネスモデルに注目!

ムハメド・ユヌスはバングラディッシュの経済学者で“貧者の銀行”(貧困層向け小額融資銀行)を設立し、貧困にあえぐ人々に融資して、貧困から抜け出す手助けをして2006年ノーベル平和賞を受賞しました。

世界の調査対象人口の72%を占める約40億人が年間3,000$以下の低所得者層です。

しかしそのマーケットは5兆$(600兆円)にもなります。一人当たり所得が少なくても集まれば大きな市場になるのです。

水はただで手に入るものと考える人に、汚れた水10Lに1gの「PGα21Ca」の粉末を入れるだけで浄化されるので、「お金を払っても買いたい」と思わせるように、現地の販売女性を雇って実演販売する手法を取りました。

また、「PGα21Ca」は天然物由来の製品なので無害で安全で、しかも沈殿物の中に細菌などが殆ど取り込まれるので、一石二鳥なのです。販売女性も歩合給で、販売量が増えれば給料が上がるシステムにした結果、販売量が増え事業が軌道に乗りました。

例2:生物群の集まりで水質浄化する生物浄化法(緩速ろ過法)

発展途上国では、シンプルかつタフな浄水システムが求められます。

河川から連続して取水し浄水を作る場合、問題なのは汚れた生活排水・砂塵が目詰まりを起こし、取水できなくなることです。

この様な水には人工フィルター、活性炭吸着(*)、オゾン殺菌・消臭等のハイテク水処理技術は全く役に立ちません。電気も潤沢に使えない地域が多いのです。モーター等使えないのです。
(*)活性炭は超微細な孔を持ち、微生物では分解できない物質を吸着し(取り込み)ます。

しかしこのような環境でも活かされる技術があるのです。19世紀イギリスで開発された生物浄化法、即ち緩速(かんそく)ろ過法が役立ちます。

現代の近代都市には、凝集剤を用いた米国式急速ろ過法が一般的です。処理水あたりの設置面積が少ないことから、効率重視で採用されていますが、急速処理の為殺菌が十分でなく後段で塩素殺菌、オゾンや活性炭で脱臭を行っているのです。

汚泥処理法にもコストが掛かっています。しかし、生物浄化法は小規模浄水には今でも日本で使われています

浄化槽下部には粗い砂礫、徐々に上に行くに従い微小動物が棲める粘土質、更に水面近くには太陽の光を浴びて繁茂する藻類(アオコ)、と言った正に自然の浄化機能を取り入れているシステムなのです。

水面から河川の水を取り入れ、砂礫の底から浄水が取り出せます。このシステムは、生物の生態系を考えた自然の摂理を重んじた浄化法です。

バクテリアを微生物が、更に微生物を微小動物が、微小動物をそれより大きな動物の幼虫が、と食物連鎖のメカニズムが行われているのです。微小動物の排泄物を藻類が窒素分として取り入れ、光合成で水中に酸素を放出しています。

途上国では、豪雨で濁流になった河川からの取水も、前工程に更に沈砂池的装置として砂礫を敷き詰めることで、装置の負荷が減り改善されるようになりました。ICA(国際協力機構)では、この技術を途上国に企業と一緒に展開しています。

緩速ろ過法は、安全でおいしい水道水は生物浄化法だ – YouTube

緩速ろ過から生物浄化法、Ecological Purification System … – YouTube

まとめ

日本の河川は急峻(しゅん)な地形から、雨が降ってもすぐ海に流れてしまい、日常濁流の河川などありません。しかし海外ではメコン川、ガンジス川、インダス川等々普段が濁流の河川が多いのです。

その水を浄水技術・建設資金いずれもないので、そのまま生活用水に利用しています。河川は生活用水であると同時に生活排水の捨て場なのです。

透き通った、菌の無い水を欲している発展途上国の人達の生活水準を上げるのに、日本の水処理技術はまだまだ貢献出来るのです。

最先端の水処理技術から発展途上国用の水処理技術迄幅広く持ち合わせている日本で、若い皆さんが世界に貢献するチャンスはいくらでもあります。

ライター:sige G

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