【監修者:管理栄養士 坂本圭子】
先日コストコに行った友人が、マシュマロ入りの「スイスミス ココア」をおすそ分けしてくれました。飲んでみると、おいしいけどとっても甘い!
飲み続けたら、太るのは間違いなさそうです。せっかくいただいたので上手に飲みきろうと思っていますが…。
ゆっくりと楽しむ時間がなかなか取れませんが、寝る前や夜中に飲むのは、さすがにまずいかなという気がします。
スイスミス ココアのような調整ココアを毎日飲む場合に、いつ・どれくらい飲めば太ることなく楽しめるのでしょうか?
純ココアと調整ココアの違いも改めて確認しながら、ココアで太らないための方法を調査していきます!
- ココアは太るのか知りたい!純ココアと調整ココアの違いも確認
- 純ココアで痩せるって本当?
- 調整ココアを飲む量やタイミングとは?
- 太らないココアを作るコツを紹介
子供の頃は、母が食後にココアを作ってくれていました。純ココアの美味しさがわからず、森永のミルクココアを買ってくれていたのを覚えています。
子どもの頃は、単純に甘くて美味しいから飲んでいたココアですが、40歳を過ぎた今では、砂糖が含まれたココアのカロリーや糖質が気になります。
ココアの成分から太る原因を探り、調整ココアでもなるべく太らずに飲める方法を、ご一緒に確認していきましょう!
管理栄養士・栄養士
目次
毎日ココアは太るのか?純ココアと調整ココアの違いやカロリー一覧
ココアは毎日飲むと太るのか気になりますが、ココアにも純ココアと調整ココアがありますよね。まずは、この2つの違いから、あらためて確認しましょう!
純ココアとは?
カカオ豆から皮など余分な部分を取り除き、脂分を抜いて粉状にしたもの。原材料は、「ココアパウダーのみ」です。
調整ココアとは?
ココアパウダーに、糖分や乳成分を加えて味付けをしたもの。原材料は「ココアパウダー」の他に、砂糖・ぶどう糖・脱脂粉乳などです。
またスイスミスのように、マシュマロなど他の食品が配合されている商品もあります。
純ココアと調整ココアでは成分が大きく違いますね。純ココア・調整ココアどちらも発売している森永の商品で、成分の違いを比較してみましょう。
*それぞれカップ1杯分の数値で、調整ココアは「ミルクココア」という商品名です。
成分 | 純ココア(5g) | 調整ココア(20g) |
|||
カロリー | 18kcal | 77kcal | |||
炭水化物 | 糖質 | 2.1g | 0.7g | 15.1g | 13.8g |
食物繊維 | 1.4g | 1.3g | |||
たんぱく質 | 1.1g | 1.9g | |||
脂質 | 1.2g | 1.6g |
*炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせた成分です
純ココアと調整ココアを同量で換算すると、カロリーはあまり変わりません。ですが、カップ1杯分の量で比較すると、カロリーはかなり違うことがわかりました。
また、調整ココアの約75%が炭水化物で、そのうちの90%以上が糖質です。
純ココアを1日2杯飲んでも「18kcal×2=36kcal」なので、他の食事をコントロールする必要性は感じません。
一方、調整ココアを1日2杯飲むと「77kcal×2=154kcal」となり、ご飯を小盛りで茶碗1杯ほど(100gで168kcal)食べるのに近いカロリーです!
森永ミルクココアのような調整ココアを、毎日数杯飲む習慣がついていると、太る心配がありますね。
【豆知識:ココアにはカフェインも含まれる!】
ココアには、コーヒーの1/10ほどのカフェインが含まれています。少量とはいえ、カフェインアレルギーの方や妊娠中の方、子供さんなどはご注意ください。
ちなみに、コーヒーは1杯5〜8kcal、カフェオレは50kcalほどです。カフェインが気にならない方であれば、ココアよりもコーヒーを選ぶほうが、カロリーを抑えられます。
ここでご注意いただきたいのが、上記の表で大きな割合を閉めている炭水化物(糖質と食物繊維)も、太るのに影響するという点です。
実は、低カロリーの純ココアも、飲み方や飲むタイミングによっては、太るか痩せるかのどちらの可能性もあるんです…。
そこで次は、どんな飲み方をすれば太らないのかを、純ココア・調整ココアそれぞれでご紹介していきます!
純ココアなら太るどころか痩せる!肥満防止に役立つ成分やすごい効果
純ココアは、森永以外からも発売されています。商品によって、カロリーや食物繊維の含有量が違うのか知るために、ココアで有名なバンホーテンと比較してみました。
商品名 | カロリー | 炭水化物 (糖質/食物繊維) |
|
森永 純ココア |
18kcal | 2.1g | |
0.7g | 1.4g | ||
バンホーテン ピュアココア |
21kcal | 2.2g | |
0.8g | 1.4g |
カロリーに多少の違いはあるものの、炭水化物などの含有率はほとんど同じですね。純ココアの大きな特徴は、炭水化物の多くが食物繊維という点です。
食物繊維はどんな役割の成分なの?
食物繊維は消化・吸収されない成分なので、基本的には食べたら体から出ていきますが、体から排出されるまでの間に、下記のような役割をしてくれます。
- 他の食品を巻き込む
- 腸の動きを助ける など
つまり、純ココアに含まれている食物繊維は、腸内に残っている他の食品も排出する助けになるんです!
純ココア自体のカロリーが低いので、上手に飲むと太るどころか痩せる効果も期待できますね。
寝る前や夜中、食前・食後など、「カロリーが高いものは食べたくないけど小腹が空いた」なんていうときに飲むのがおすすめです。
ただし、「純ココアは無糖だから、そのままお湯だけに溶かして飲むのは美味しくない…」という方もいらっしゃると思います。
普通は砂糖や牛乳を入れて、好みの味に調整してから飲みますよね。このような一般的な作り方だと、下記のカロリーになります。
砂糖や牛乳を入れると美味しいのですが、純ココアだけの場合と比べて一気にカロリーがアップします。これだと、飲む量や飲むタイミングによって太るデメリットが十分にあるため、ご注意ください!
純ココアに味付けをして飲む場合は、次にご紹介する調整ココアと同じように、飲み方を工夫する必要があります。
では、「調整ココアがなぜ太るのか?」「どんな飲み方をすれば太らないのか?」をご一緒にチェックしていきましょう!
調整ココアは夜寝る前に飲むと太る?正しい飲み方やタイミングを解説!
調整ココアにも、さまざまな商品がありますよね。市販の調整ココアは、商品によってカロリーが違うのかをチェックしてみましょう。
商品名 | カロリー | 引用元 | |
ココアパウダー | ミロ | 60kcal | 通販HP |
森永ミルクココア | 77kcal | 公式HP | |
名糖 香り高いミルクココア | 80kcal | 公式HP | |
バンホーテン ミルクココア | 99kcal | 通販HP | |
ココアドリンク | ローソン ミルクココア | 130kcal | 公式HP |
ファミマ 濃厚ココア | 151kcal | 公式情報 | |
スタバ ホットココア(short) | 217~269kcal | 公式情報 |
*スターバックスのホットココアは、6種類あるミルクの種類でカロリーが変わります
同じココアでも、商品によってカロリーにひらきがありますね。
ココアドリンクの場合はカロリーが高いものを飲み切ると、ご飯を茶碗1杯分食べるくらいのカロリー(160gで269kcal)を摂ることになります!これは、注意が必要ですね。
成分を調査した際の表でご紹介したとおり、調整ココアの成分のうち約75%が炭水化物で、炭水化物のうち90%以上が糖質だったことにも注目しましょう!
糖質とはどんな役割の成分なの?
糖質は炭水化物の一種で、「エネルギーとして消費する役割」と「脂肪として蓄積する役割」に分かれます。
どちらも適度に必要な成分ですが、糖質が多い食品ほど、脂肪として体に蓄積される分も多くなります。
糖質がたくさん含まれている調整ココアを飲み過ぎると、太るのを通り過ぎて肥満の原因になってしまう危険性も出てきます!
そこで、調整ココアを1日に飲む量と、飲むタイミングのおすすめをご紹介します。
調整ココアを飲んでも太りたくない!1日に飲む適量とは?
食品を食べて太るかどうかは、1日の総摂取カロリーに左右されます。
おおまかに言うと、総摂取カロリーが「基礎代謝+動いて消費するカロリー」よりも多ければ太ることになります。
例えば、厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準2020年版」によると、1日に必要なカロリーは下記のとおりです。
- 男性:2300kcal
- 女性:1750kcal
*18歳〜49歳の場合の、推定の数値です
3食の食事を摂ることを考えると、調整ココアを1日に飲む量は、カップ1杯に抑えたほうが良さそうですね。
調整ココアを飲んで賢く消費!太らないタイミングを紹介
先程も登場した森永製菓では、カカオの機能性を研究し続けていて、これまでの研究で下記のことがわかっています。
- インフルエンザウィルスに対抗する力がつく
- 歯周病に対抗する力がつく
- 冷え性の改善
- ウォーミングアップした後に体の柔軟性が改善される など
さらに2019年に発表された論文では、下記のこともわかりました。
1日に飲む量はカップ1杯に抑えたほうがいいものの、毎日上手に飲むことでメリットも複数ありますね!
森永製菓の研究や、調整ココアに含まれる成分を考え合わせると、ココアを飲むタイミングは朝食後と空腹時がおすすめです。
ココアを朝食後におすすめする理由
毎朝、朝食後に飲むことで、インフルエンザ予防や冷え予防の効果が期待できます。また、勉強する方にとっては、記憶力への働きかけも期待できます!
飲むのは純ココアでも調整ココアでもいいのですが、1杯に抑えることはもちろん、ダイエット中なら純ココアを控えめの味付けで飲んでみてください。
ココアを空腹時におすすめする理由
空腹時は血糖値が下がっていて、イライラしたり集中力がなくなったりするなどの状態になります。
さらに、無理をして食事を摂らずに血糖値が下がっていくと、めまいや吐き気などの症状も出てきます。
そんなときは、糖質を含む調整ココアをゆっくりと飲んで、血糖値を正常に戻しましょう!
ガブガブ飲むと急激に血糖値が上がって具合が悪くなることがあるので、時間をかけてゆっくり飲むのがポイントです。
ただし、糖質量が多い調整ココアを飲むことでデメリットもあるので、下記のタイミングはおすすめしません。
- 起きてすぐ:血糖値が急激に上がり、その後イライラなどが起きる可能性がある
- 昼食後:血糖値を下げるための生理現象で、午後に眠くなる可能性がある
- 深夜:エネルギー消費がほとんどないので、夜食に飲むと太る可能性が高い(寝る前も同様)
私は、調整ココアをおやつのように飲んでいましたが、メリット・デメリットがわかったので、これからは上手に日常に取り入れられます!
最後に、太らないココアの作り方もご紹介します。いつものココアをもっと楽しむために、アレンジレシピもチェックしてみましょう。
太らないココアの作り方とは?おすすめのアレンジレシピも紹介!
ダイエット中に純ココアを自分で作る場合は、下記のような飲み方がおすすめです。よりカロリーの低いもので代用するのがポイントですね。
- 砂糖をはちみつで代用:はちみつのほうが低カロリー&甘い
- 牛乳を豆乳で代用:豆乳のほうが低カロリー
- 牛乳をお湯で代用:コクがなくて物足りないですが、カロリーをより低くしたい方におすすめ
*1歳以下の子供には、ボツリヌス菌の中毒で死亡した例もあるため、はちみつは使わないでください
はちみつと牛乳を使った太らない純ココアの作り方は、下記のとおりです。
太らない純ココア(ホット)の作り方
- 小さな鍋に純ココア5gとはちみつ小さじ1/2を入れて混ぜる
- 鍋に豆乳を少量入れて、(1)を練る
- 弱火で、豆乳を少しずつ足しながらのばしていく
- 沸騰直前に火を止め、すぐにガス台からおろす
- カップに入れて出来上がり!
太らないという点を重要視するなら、やはり純ココアを飲むのがおすすめです。先程ご紹介した森永とバンホーテンを比べると、森永のほうがお手頃な値段になっています。
↓森永の純ココアです。
↓バンホーテンは老舗メーカーで「ハイクオリティー」がアピールポイントとなっているため、高級品です。
↓通販では、もっとお手頃な値段の純ココアも販売されています。
↓カロリーオフの調整ココアも販売されていますよ♪カップ1杯24kcalです。
いつものココアをヘルシーにアレンジ!
ご紹介したココアの作り方を基本に、以下で紹介するアレンジレシピも楽しんでみてください。
ココア×しょうが
太らない純ココアの作り方(1)に、しょうがのすりおろし小さじ1/2を加えて作ります。
しょうがは体を中から温めてくれるので、少量ではありますが代謝アップも期待できます!
ココア×アーモンドミルク×メープルシロップ
アーモンドミルクは豆乳よりも低カロリー、メープルシロップははちみつよりも低カロリーです。
豆乳とはちみつを使ったココアよりもカロリーをさらにおさえて、あっさりと上品な味になります。
ココア×きな粉
はちみつを使わず、ココアパウダーときな粉で作ります。
- コップに純ココア5gと同量のきな粉を混ぜる
- 豆乳100ccを温めて、(1)に少し入れて練る
- 残りの豆乳を少しずつ入れながらのばしていく
- 最後に氷を入れて、混ぜて冷やしたら出来上がり!
甘くはないですが、独特の香ばしさが加わって良い味わいになります。冷たいココアで飲むのがおすすめです。
カカオパウダーを作るときに取り除かれた脂は、ココアバターになります。ココアバターを使いこなせば、本格的なチョコレートが手作りできますよ!
こちらの記事で情報をチェックしてみてください!
↓↓↓
ココアバターとは|カカオバターとの違いや効能、使い方を徹底解説!
まとめ
ココアが太るのかを調査し、太らないココアの飲み方までご紹介しましたが、最後にポイントをまとめてみます!
- 純ココアに砂糖や牛乳を入れなければ、太る心配はあまりない
- 調整ココアは量や飲み方によって太る可能性がある
- 純ココアは食物繊維が豊富なので、痩せる効果が期待できる
- 調整ココアは1日に1杯までならOK
- 飲むタイミングは朝食後か空腹時にゆっくりがおすすめ
- 純ココアに入れる牛乳を豆乳に、砂糖をはちみつにするのがおすすめ
純ココアはカロリーが低いうえに、糖質もほとんど含まれていません。そのため、砂糖や牛乳を入れなければダイエットに役立つことがわかりました。
一方、調整ココアはカロリーが高くて糖質量がとても多いです。飲み過ぎはもちろん、飲むタイミングによっては太ったり、イライラしたりというデメリットがありましたね。
今回は、ココアの原料のカカオが冷え性改善などの機能も持っていることをご紹介しました。糖質が多い調整ココアでも、毎日上手に飲むことで体の機能に有効に働いてくれます。
ご紹介した情報を参考に、これからもココアを楽しんでいただけると幸いです!